山歩きとそこで出会う花たちへの思い


by minoru_mogi
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10月の北穂高岳(3106m) No207

 テレビのニュースの中で穂高涸沢の見事な紅葉風景が映し出されると、僅か遅れてしまった昭和39年(1964)オリンピックの年の独りで出かけた秋山を思い出す。その頃は山の情報の入手が難しい時代であり現在とは大きな違いがあつた。
10月12日に島々よりバスで上高地に降り立つと、快晴の空の下に梓川の周りは落葉松の黄葉で黄金色の美しい景色が広がり岳沢よりの奥穂高岳が紅葉の山肌の上に聳えていた。
徳沢まで行き、いつもの村営小屋へ泊まることにした。まだ明るい時間なのでスケッチを始めると、直ぐ前を流れる小川ではカワガラスが流れの中に潜って行く姿が見られる。
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                 徳沢徳沢園の前でテントも見える
 翌日は横尾より屏風岩の岸壁の紅葉を見ながら涸沢へと着いた。しかし、そこでは期待の
紅葉は盛りを過ぎており、ナナカマドの赤い葉も少し傷み始めており、一寸ガッカリである。
小憩後涸沢ヒュッテの前を通り北穂高岳の山頂近くにある北穂高小屋へと急な山道を登りにかかった。
その頃から空には薄雲が広がってきた。2時間以上登り奥穂高岳との高さが小さくなってきたが、空は更に雲が厚くなり雲も下がってきて暗さを増してきた。山頂の小屋には残り30~40分くらいと思える。ところが、急に空が一気に暗くなり雪が降り出した。
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高度2800m付近からの当日の奥穂高岳
足を速めて登るが、後ろを振り返ると、今歩いた道が真っ白で分かりにくになっている。その降雪は更に強くなり、視界が6~7メートル位しかない。雪雲の中に入ってしまつた様である。その頃はもちろん今の様な高度計付の時計などなかった。
その雪の降り方も今まで白馬の栂池で経験した時よりずっと酷く、その3倍程の密度で降り、みるみる積雪を増してゆく。ここで足を止めて考えてみた。ここより先は初めてのルートであり、この密度の高い降雪と暗さの中では小屋を見落とす可能性が無いとは言えない。振り返ると足元の山道の見極めが難しい程に積もってきている。
 そこで、大きな決断をして一気に下ることにした。小走りに涸沢まで下るとそこでは雪は降っておらず空もかなり明るい。徳沢の昨夜泊まった村営小屋へ戻り、風呂に浸かり冷えた体を休めた。その日の宿泊者は10名くらいで、夕食にキノコ料理が出た。一緒に食べていた私の前の1人が「私のおかずは1品少ない」と私の皿数をみて言った。小屋の人が言うには「連泊のお客さんには1品余計についています」と。
この白黒の写真がはるか昔を物語っているようである。

このブログを書いてから13日の涸沢の画像を見つけてみました。そして素晴らしい涸沢小屋の方のブログを見つけました。是非サイトにアクセスしてみてください。感動的な画像ですよ。
http://karasawagoya.blog86.fc2.com/blog-date-200810.html
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by minoru_mogi | 2008-10-13 15:49 | 歩いた山 | Trackback | Comments(0)