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山歩きとそこで出会う花たちへの思い


by minoru_mogi
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虫の音(声) No197

 昨年の夏はセミが多く、その声は降るほどのやかましさでしたが、今年はニイニイゼミの出現も遅く、アブラゼミの暑そうな声も少なくて、数日前にやっとヒグラシの声を聞いて、懐かしく思うほどにセミの声が少ないのです。

虫の音(声) No197_d0059661_1641615.jpg
  ミンミンゼミ
色々な虫の音(声)に季節を感ずるのは、日本人独特なものとして知られているようです。
我家の庭でも夜コオロギの声が昨日から聞こえだしましたが、お盆のころからエンマコオロギが鳴きだすと、涼風が吹くころとなってきます。また、秋口にはカネタタキが部屋に入ってきて天井などに止まり「チン・チン・チン・・・」と澄んだ音を響かせます。でも、騒々しいのは夜樹上で鳴く中国からの帰化昆虫のアオマツムシです。
 研究者の話では、虫の声を私達は左脳で受け入れ、言葉として認識していますが、欧米人は非言語脳である右脳でとらえ、単なる音としてとらえているそうです。
マツムシの「チンチロリン」という声と、スズムシの「リーン・リーン」という声を、日本人は聴き分け、そして楽しんでいます。しかし、欧米人にとっては、どちらも耳障りな雑音でしかないというのです。
 小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)は日本の虫売りの起源を夢中になって探る程、虫売りに無類の関心を示したそうです。松江市にある小泉八雲記念館には、八雲が使ったとされる虫籠が展示されており、「虫の音を理解する日本人こそ、美的感覚の優れた民族である」と語り、ギリシャ人を母に持つこの帰化人は「虫の音を理解するのは日本人とギリシャ人だけ」と言っているのです。
 江戸時代にはコオロギ・マツムシ・スズムシ・ホタル・を売る虫売りが街を売り歩き、その音を楽しんだ後、お盆の頃には飼っていた虫を放す風習があったそうです。
それを「放生(ほうじょう)」と言い、殺生を戒めていたそうです。田舎の菩提寺の方丈さんが7月のお盆の折に来宅して持参された小冊子にこの内容が記されていました。
私が小学生の頃、昭和20年頃には天秤棒で前後に桶を吊るした金魚売り、リヤカーに飾ったノキシノブと風鈴の引き売り、キリギリスを竹かごにいれた虫売りがまだ見られたのです。
by minoru_mogi | 2008-07-29 16:53 | 動物・昆虫・その他 | Trackback | Comments(0)