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山歩きとそこで出会う花たちへの思い


by minoru_mogi
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本仁田山(1225m) No135

 奥多摩の山の中で最後まで登っていなかったこの山に、5月3日の連休後半の初日に出掛けた。それは奥多摩駅から直ぐに行ける山ではあるが、どうも人気の出ない可愛そうな山である。私自身も友人たちからこの山の良さを薦められたことが無かったのが今まで登らずにしていた理由でもある。
 駅を降りて右に舗装道路を行き、北氷川橋で日原川を渡り国際鱒釣り場で渡り返して安寺沢の林道へと入って行く。その入り口付近の道路横の山肌には134話で紹介したセリバヒエンソウが沢山咲いているではないか。思っていた以上に分布の多い花であることを知つた。林道から登山道へと入るところの民家のご主人と道端で会話をした。「最近は鹿が沢山増え山から出てきて、畑(わさび田)もこの様にネットで囲んで防いでいるが、青いものは何でも食べてしまい、庭の園芸用のものまで夜に食べられてしまう」と言う。
登山道の上り口の近くに金属のミニモノレールが地上70センチくらいの中空に敷設されており、「あれは何ですか」と尋ねると、「あれは鹿の捕捉のために山に入るモノレールで11人も乗れる」と説明してくれた。過日NHKのテレビに映された同じものを見たことがあったが、それは単に人が急な坂を登って山腹の高いところの家に行くものと説明していたが、意外な目的にも設置されていたことを知った。
本仁田山(1225m) No135_d0059661_22435796.jpg

 天候も良く気温も心地良い日で大休場(おおやすんば)までは予定どおりに進み大休止をしてバナナなどを食べる。そこまでの山道は割合と眺望もあり、天租山の石灰石の採取場などが新緑の芽吹き始めた樹々を通して見える。しかし、ここからは尾根道の針葉樹の中を徐々に急となる山道を登ってゆく。家族連れの元気な小学生や若い二人連れ、女性の3人グループなどにどんどん追い越される。周りを見渡すとこの山は下草がほとんど無い。クヌギの木の下にも幼樹は全く見ることができない。
山頂には丁度12時に着いた。連休中とあって山頂には若い人も多く50人くらいが昼食中であつた。山頂では落葉松が芽吹き始めであり、アセビの花が白く群れて咲いていた。山頂よりの視界が南東部のみ開けているだけであり、この山の不人気の理由の一つはこの視界のせまいことの理由が大きい。
 食事も終る頃、男女の大学生30人くらいの一団が上がってきた。そこで、これを機に腰をあげ下山を始めた。コブタカ山付近からは川乗山が大きく北に広がり、まだ芽の出ていない木々の間を通して、三ツドッケの三頂点の山頂が美しく見える。驚いた事に登山道の入り口でみたモノレールがここまで登ってきているのである。
コブタカ山を過ぎて少し平らな草付きに来たところで一頭のメス鹿を見つけ、「あっ 鹿だ」と声に出して同行の友人に知らせると、その一頭が跳ねて走り出し、続いてメス二頭が林から出て後を追って森へ消えた。その姿はお尻の白い部分をこちらに向けて飛び跳ねて行き、その後姿は大変優美であった。やはり地元の人が言うように、日中にも会えるほど増えているのは事実のようである。この鹿達の一部を駆除せねばならないことは少し可愛そうにも思えてきた。山ノ神を経て鳩ノ巣駅には予定より早く着き、帰宅は夕刻5時前と豊な気分の一日であつた。
参考ウエッブサイト ミニモノレール http://subakk.jugem.jp/?cid=7
by minoru_mogi | 2007-05-04 22:45 | 歩いた山 | Trackback | Comments(0)