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山歩きとそこで出会う花たちへの思い


by minoru_mogi
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旅客船への想い(その2 No115)

 朝、目が覚めて舷側の窓の外を見ると、紅白に塗り分けた煙突と銀色の細い煙突が見え、その細い煙突の上では赤い炎が燃えている石油コンビナートである。船は停泊しているがどこの港か分からない。朝食に出て、やっと四日市港の沖に居ることが分かった。
旅客船への想い(その2 No115)_d0059661_21232964.jpg
食卓はサラダ・グレープフルーツ・コーンミール・ポテト・注文卵料理・オムレツ料理・ホットケーキ・各種パン・コーヒー、紅茶と続く。卵はゆで卵を頼むと、「何分ですか」と聞かれたが、その時の私はそんな事は全く知らなかった。でも、グレープフルーツの半分が出て初めて食べたが、その食べ方は映画の中で見たことがあり知っていたのである。
部屋へ戻ると、朝シャワーを浴びて使用した2枚のバスタオルとマットも交換されており、靴もよく磨かれて並べてあった。昨日、乗船した折にボーイにチップとして渡した大枚の千円が効いているらしい。
 その日、船は四日市港で南米から積んできた羊毛の荷役があり、出航は夕方4時の予定という。後になり判ったことであるが、この近くにはユニチカや大東紡の工場が在った。夕方までの自由時間は一時下船して船のスケッチと街中の散策とし、昼食は船に戻り美味しい食事を楽しんだ。その頃の四日市はまだ公害の事が世間で騒がれる以前のことであった。
by minoru_mogi | 2006-12-29 21:28 | 随想 | Trackback | Comments(0)