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山歩きとそこで出会う花たちへの思い


by minoru_mogi
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名古屋市のトヨタ産業技術記念館 No591

前から一度訪ねてみたい所の一つであった博物館が、たまたま浜松に用事があり、浜松市内で泊まり、翌日に名古屋まで足を伸ばして記念館をじっくりと見てきました。
 このトヨタの施設は豊田紡織とトヨタ自動車が運営に当っているとみえて、展示場の前半には豊田佐吉の発明した豊田織機の機械の動態展示であり、後半は自動車の部品から完成車までの時代別の変遷の展示です。
名古屋市のトヨタ産業技術記念館  No591_d0059661_21174740.jpg
 
紡織機の展示では綿花から綿を梳(す)いて糸状になったものに縒(より)をかける工程までの織布の前段階から、全部説明員の若い女性が機械を動かして実演してくれます。
その説明を聞いているのは、名古屋駅前の市内の路線を回る「メーグル」という小型バスから、このトヨタ産業技術記念館で降りた人は、40人くらいの中でたったの5人でした。その少ない見学者を前にしてガラ紡機や豊田自動織機を実演してくれました。
名古屋市のトヨタ産業技術記念館  No591_d0059661_21184717.jpg

 この自動織機は画期的な進んだ発明で、それまでの織機は横糸を入れる杼(ひ・シャットル)が左右に動いて織ってゆくのですが、杼(ひ)の糸が数分で無くなると、機械を止めて次の杼(ひ)を入れ直さないとならず、縦糸がもし切れても機械は止まらずに不良品を織り続けてしまうものでした。
それが、佐吉による優秀な発明により、横糸が切れると自動的に次の杼(ひ)が入り、縦糸が切れると機械が自動的に止まってくれ、そこで糸を繋ぎ直せるようになりました。
これにより、一人で4台の織機を見ることが出来るようになり、また機械をその都度止めなくて良いことになり、一気に生産性を20倍に上げられるようになりました。
 この織機は1924年(大正13年)に特許G型自動織機として登録され、1929年(昭和4年)にs世界の織機のトップメーカーであるイギリスのブラッド社に技術貸与をして、この特許譲渡が豊田自動織機を自動車産業への展開の契機となり、息子の喜一郎氏が国産の自動車開発に取り組むことになりました。
また、喜一郎氏は後年航空機への夢を持っており、トヨタが出資している三菱MRJジエット機が、丁度この日に初飛行したのも何か因縁をうかがわせるものでした。
2時間もじっくり見学して大満足で帰りました。
by minoru_mogi | 2015-11-13 21:19 | 随想 | Trackback | Comments(0)