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山歩きとそこで出会う花たちへの思い


by minoru_mogi
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ヤマモモの樹のある家 No513

 我が家の裏のお宅の南西の角地に、ヤマモモの6mくらいの樹があります。数年前にこの樹に赤い実が少し成るのを見つけました。ところが、今年はこの実が樹の上から下までびっしりと成ったのです。手を伸ばせば楽に取れる枝もあります。樹の下には熟した実が沢山落ちているので、そのお宅の奥さんに話をして、スケッチをする目的で枝を切らせてもらうことにしました。
ヤマモモの樹のある家 No513_d0059661_11182534.jpg

実は高いところにはびっしりと成っており、実の大きさも直径1.5cmほどの充実したものです。実を取って口に含んでみると、甘いものの酸味が強く果実酒にでもしたら、きれいな紅色になると思えます。その小枝を2本ほど鋏みで切って、家に持ち帰ろうとしたところ、実がポトリと2つも落ちてしまいました。
実に綺麗な実なのでスケッチをしようと考えましたが、色々とその実を描く手法を考えても、実の質感を出す方法が考えつきません。そこで今回は写真を撮って我慢しました。
 ヤマモモの樹は本来は関東地方には無く、房総半島南部や伊豆半島が北限です。南限はフィリッピンと図鑑にはありました。大きなものは高さ15mで幹の直径で1mにもなるとあります。九州や四国には大木が自生しているのです。
1980年代のバブルの頃から、都内では大きなビルや街区の再開発が行われ、それに伴い九州や四国からヤマモモの大木が運ばれて、それらビルの周りに植えられました。その頃、同時に都市の温暖化やヒートアイランド現象が進み、都内の街路樹として植えられることも多くなりました。このヤマモモの樹が暖かな地方から運ばれたことにより、その根に付着していた土の中にクマゼミの幼虫が居たことにより、それが地上に発生してクマゼミが都内を中心に急速に増えて、騒々しく暑苦しいせみの声を広げて行ったのです。それまでは関東地方にはクマゼミは居なかったのです。このクマゼミ北進の考察が論じられており、まだ定説にはなっていないのですが、私はこの説を信じています。
今年はニイニイ蝉の声はもう聞きましたが、クマゼミの鳴き声が梅雨明けと共に騒々しくなりそうです。
by minoru_mogi | 2014-07-17 11:22 | 樹木とその花 | Trackback | Comments(0)