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山歩きとそこで出会う花たちへの思い


by minoru_mogi
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農工大学博物館における学芸員のお話 No420

 東小金井駅より10分くらい農工大工学部の博物館を8人の仲間と共に訪ねて、学芸員から展示物の説明を受けました。先ず最初は江戸時代から使用された座繰りの紡糸機械(?)道具です。歯車は木製で、座って糸を紡ぐのですが「座繰り」の座は、座って作業をするからではなく、「座」とは歯車のことを言うのだそうです。
明治6年に日本人により発明された「ガラ紡」という機械は10数個の錘(すい)を一度に動かして、糸を引き撚り(より)を掛ける画期的な機械でした。その「ガラ」とは、機械が大きな音を立てる様子を「ガラガラ」の「ガラ」とは面白い名前がついたものです。学芸員はこの機械を動かしてその仕組みを説明してくれました。実に良く考えられた機械であると感銘しました。
次に、豊田佐吉が作った自動織機があり、細かい説明をしてくれました。この自動の意味は、途中で横糸が切れた時に、自動で他の杼(ひ)が替わりに入って行き、機械を止めないで織布が出来るので自動織機と言われる所以(ゆえん)です。この機械は昭和初期に発明されて、その技術のパテントを英国の織機会社にも売り、その資金がトヨタ自動車の設立の基になったという話ですが、真偽の程は明らかではない説となっているとのことでした。
最後に今現在使用されている織機でチェコからのパテントを使用して、日産自動車が開発した、エアージェットの織機と、ウォータージェットの織機を見ましたが、これは動態展示が日曜日だけとかで、動いている所が見られずに残念でした。
実は私はエアージェットの機械が日紡貝塚の和歌山の工場で稼動しているのを見たことがあります。その時は100番手の白の布を織っており、銀座和光のハンカチの特製の生地を作っていました。残念なことにウォータージェットの織機は動態で見たことがありません。この機械は水で濡れるために合成繊維の織物に特に使用されます。こちらは織物の重要な部品の杼(ひ)を使用しておらず、その布は両端の糸が切れており、ギザギザです。
農工大学博物館における学芸員のお話 No420_d0059661_20232093.jpg

1時間にわたり若い女性の学芸員の説明でしたが、大変有意義で、また近いうちに出かけて見たいと思いました。その後は、学内の綺麗な学食で食事をして、暖かな日差しの中を野川公園の緑が萌え出した柳と、川の土手に咲いているクサボケを見ながら、国際基督教大学のキャンパスに向かいました。
by minoru_mogi | 2013-03-22 20:24 | 随想 | Trackback | Comments(0)