給食当番 No316
2010年 12月 28日
私は小学生1年生まで横浜で過ごした。昭和19年(1944年)のことである。その時の小学校はコンクリート3階建てであり、栗田谷小学校と言ったが、戦争後も焼け残り今では栗田谷中学校になっている。
その小学校で既に給食が有ったのである。毎日の給食ではなかったと思うが、空のお弁当箱を持ってゆくと、給食の日にはご飯とカボチャの入った混ぜご飯を、弁当箱の上側にしゃもじで塗りつけるように入れてくれるが、直ぐ下側が空間があるので落ち込んでしまい、半分くらいしかなかったのを覚えている。また、時にはパンの給食があり直径12センチくらいの半円形のパンが出され、只それだけであった。そして戦争が激しくなって縁故疎開で群馬の館林に夏休みの時に疎開した。
この「給食当番」とは御徒町にある食堂の名称なのである。そこでは昔の学校給食を昔と同じく金属の容器で食べさせてくれる。その献立も昔のイメージを厳しく保っているのである。
近いうちにグループで昔の街中を歩く企画を立てているが、この店に立ち寄りたいと事前調査に出掛けてきた訳である。
私はこの折は「カレーシチュウとシナモンぱん」のセットを注文して見た。これにはデザートとしてみかんも付いている。出てきた品のシチューはなま温かく、正に給食の時と同じようにさめており、量は割合と多く、カレーともシチューともつかないもので金属容器に入っており、砂糖をまぶしたシナモンパンとは良く合うものであった。付いているスプーンも小ぶりで往時のようであった。味はまあまあであり、ノスタルジーをスパイスに美味しく食べた。
パンは柔らかく砂糖の粉がまぶしてあつた。デザートのみかんを食するとこれは冷凍ものであり、冷えていると余計酸味が出て美味しく感じない。
実は、私の田舎での給食は脱脂ミルクと乾燥プラムが5・6個であり、時としてコンビーフの入ったほうれん草のスープが出て、これは濃厚な味でとても美味しかったのを覚えているが、脱脂粉乳は匂いも悪く全く美味しくなかった。
献立表を見ると鯨の竜田揚げがある。しかし鯨は今日高価であり1200円とあった。
昔、昭和34年頃、大学生の折に食べた鯨は安く、鯨のカッレツは直径15センチ位もあり、定食で60円であり、時々気張って食べたものである。豚のカッレツの本物は定食でも100円であり、高くて学生時代に一度も食べたことは無かった。
一番安いのはトン汁定食であり40円で、なっとう定食は50円であった。その40円のトン汁定食を11枚の回数券で買って良く食べた。そして友人が家からの仕送りが遅れて、昼飯が食べられない時にその食券1枚を良く貸したものである。
その友人達とは大学卒業後も毎年1月3日に新橋で会い、今まで休まずに新年会を重ねている。その仲間5人は次々に海外勤務となり数十年間会えない時期も有ったが、今は皆仕事を離れ5人が全員揃うようになった。あの頃の鯨のカツが懐かしく思い出され、もう一度食べてみたいものである。
その小学校で既に給食が有ったのである。毎日の給食ではなかったと思うが、空のお弁当箱を持ってゆくと、給食の日にはご飯とカボチャの入った混ぜご飯を、弁当箱の上側にしゃもじで塗りつけるように入れてくれるが、直ぐ下側が空間があるので落ち込んでしまい、半分くらいしかなかったのを覚えている。また、時にはパンの給食があり直径12センチくらいの半円形のパンが出され、只それだけであった。そして戦争が激しくなって縁故疎開で群馬の館林に夏休みの時に疎開した。
この「給食当番」とは御徒町にある食堂の名称なのである。そこでは昔の学校給食を昔と同じく金属の容器で食べさせてくれる。その献立も昔のイメージを厳しく保っているのである。
近いうちにグループで昔の街中を歩く企画を立てているが、この店に立ち寄りたいと事前調査に出掛けてきた訳である。
私はこの折は「カレーシチュウとシナモンぱん」のセットを注文して見た。これにはデザートとしてみかんも付いている。出てきた品のシチューはなま温かく、正に給食の時と同じようにさめており、量は割合と多く、カレーともシチューともつかないもので金属容器に入っており、砂糖をまぶしたシナモンパンとは良く合うものであった。付いているスプーンも小ぶりで往時のようであった。味はまあまあであり、ノスタルジーをスパイスに美味しく食べた。
パンは柔らかく砂糖の粉がまぶしてあつた。デザートのみかんを食するとこれは冷凍ものであり、冷えていると余計酸味が出て美味しく感じない。
実は、私の田舎での給食は脱脂ミルクと乾燥プラムが5・6個であり、時としてコンビーフの入ったほうれん草のスープが出て、これは濃厚な味でとても美味しかったのを覚えているが、脱脂粉乳は匂いも悪く全く美味しくなかった。
献立表を見ると鯨の竜田揚げがある。しかし鯨は今日高価であり1200円とあった。
昔、昭和34年頃、大学生の折に食べた鯨は安く、鯨のカッレツは直径15センチ位もあり、定食で60円であり、時々気張って食べたものである。豚のカッレツの本物は定食でも100円であり、高くて学生時代に一度も食べたことは無かった。
一番安いのはトン汁定食であり40円で、なっとう定食は50円であった。その40円のトン汁定食を11枚の回数券で買って良く食べた。そして友人が家からの仕送りが遅れて、昼飯が食べられない時にその食券1枚を良く貸したものである。
その友人達とは大学卒業後も毎年1月3日に新橋で会い、今まで休まずに新年会を重ねている。その仲間5人は次々に海外勤務となり数十年間会えない時期も有ったが、今は皆仕事を離れ5人が全員揃うようになった。あの頃の鯨のカツが懐かしく思い出され、もう一度食べてみたいものである。
by minoru_mogi
| 2010-12-28 17:33
| 随想
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