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山歩きとそこで出会う花たちへの思い


by minoru_mogi
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奈良正倉院展と夜行高速バス No260

 毎年、10月末から11月初旬の2週間を少し超える日数にて、奈良国立博物館で催される「第61回正倉院展」へ歴史に薀蓄の深い友人と二人で出掛けてきました。
20年位前より今回で5回目くらいの見学です。仕事に携わっていた時には、新幹線の日帰りで行った事がある程魅力のある展覧会です。何と言っても、正倉院の8500点に及ぶ宝物の中より今年は66点が出品されており、その中の12点は今まで出ていない初出陳のものです。私が今までに見たものでは刀子(とうす)だけだったと思います。これらの品は765年に亡くなった聖武天皇の遺品が中心であり、制作年代やどこから来たものか明白なものが多く、考古学的にもその価値の大きなものばかりです。
奈良正倉院展と夜行高速バス  No260_d0059661_1815368.jpg

                  螺鈿飾りの鏡 径39センチ
私がこの展覧会に興味を持ったのは、仕事の関連で日本人の着用していた衣装史についてその時代の実物を目にしたいとの思いからです。それらは貴族や楽人達の衣装が中心ですが、東大寺の大仏開眼の折の伎楽衣装や、工人たちに貸与されていた麻の衣装があります。
この頃の日本の衣料の繊維は絹と麻であり、まだ綿は日本では栽培されておりません。絹は錦と絁(あしぎぬ・・・質の悪い絹織物)に分かれていました。
 この展覧会を見るが為に11月4日の夜23:15に新宿から奈良に向けて出る、奈良交通の深夜バス「やまと号」に乗りました。私は以前から一度夜行高速バスに乗ってみたいという願望があり、その日は若者が旅行に出るようなうきうきした気分で、最近これほどに心が躍る思いをしたことはありません。
奈良正倉院展と夜行高速バス  No260_d0059661_1844342.jpg
しかし、娘は一度乗ったことが有り、翌日の夕刻になるとドッと疲れが出て大変だよと言います。初めてのこのバスは2階建てで横3列の座席の間隔が広く、椅子のリクライニングも150度くらいまで倒す事が出来ます。席にはゆとりが有りますが、足先が寝ると少し窮屈です。バスの乗客は70%くらいであり、20~30代の女性が多く、男性は40~50歳くらいの30%位でしょうか。70歳代は我々2人のみでした。渋谷の大橋を過ぎて高速道路に乗ると直に消灯となり、席を倒して寝ることにしました。
海外旅行で13時間掛かるヨーロッパまでと比べれば、翌朝6;30までの7時間は楽であろうと考えていました。予想外であったのは飛行機と違い振動がかなり大きく、うつらうつらの状態で朝6:30に奈良近鉄ターミナルに着きました。
久し振りに好奇心と冒険心を満たすことが出来た深夜バスでした。しかし、それからが予期せぬことが待っていました。この続きは機会が有ったら書きたいものです。
by minoru_mogi | 2009-11-08 18:07 | 随想 | Trackback | Comments(0)