山歩きとそこで出会う花たちへの思い


by minoru_mogi
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ドングリの実の驚き No258

 孫の3歳の女の子はドングリ拾いが大好きである。我家に来て泊まってゆく日には一緒に散歩に行きドングリ拾いに嬉々としている。自分のポケットがドングリで一杯になると、私のズボンのポケットにそれを詰め込んでくる。
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観察していると今年のドングリの類は豊作に見える。家の近くのマテバシイの実も充実して実が付いており、クヌギの実も枝に良く付き樹下にも沢山落ちている。先日、確かNHKのラジオで、夜12時前の「暮らしの便り」の中の話と思うのだが、ドングリの中には2年をかけて実が成熟するものが2種あるという話を聞いた。しかしその時刻は寝入る前で記憶があまり正確ではなく、樹の名を言ったが憶えていない。NHKのアーカイブで調べてみたが見つからない。もしかしてその一つはスダジイである。どなたか判り人がいたら教えて頂きたいものである。
 それを調べているうちにブナの実の素晴らしい論文に出合った。このブナの実は5~7年に一度大豊作の年があるというのである。そして実付きの悪い年は極度に不作になり、これを食べているクマなどの食べ物が不足して里に出てくるのであると書かれていた。これには大きな意味があるというのである。
大豊作の時は落下したドングリをネズミやリスやその他の小動物が沢山食べてそれらの動物が大繁殖するという。その結果その翌年から落下した実は殆ど食べつくされてしまい、発芽して若木になれる割合が大きく低下する。そこで、不作の年があることにより、それらの動物の生存率を妨げて食べられてしまう率を減らし、落ちた実の発芽と若木の発生と成長率を上げて種の保存を図るというのである。
 ブナの樹齢は約200年であり、その豊作の長い周期は種の保存には全く問題はないという。更に、このブナの樹下には笹が生い茂って密生し、日照が不足して発芽した若木が成長できないケースも多くあるが、笹は正確ではないが約60年に一度、笹の実が成ると翌年には全てその根で繋がっている付近のものは枯れてしまう。そしてこの笹の実が結実した年は野鼠が大繁殖し、狐も沢山その野ネズミを狩に寄ってくると言われている。
私はこの状況を奥多摩の川乗山の落葉松とクヌギの混生林で見たことがある。山頂から南面を降りだすところは、昭和40年台、50年台に3度歩いた時は笹が繁りそれが山道にかぶり大変歩きにくかった。しかし3年ほど前にこのルートを歩いた時には笹が全くない落葉松とクヌギの森となっており、一体何が起きたのかと思うくらい笹が全くない明るい林床になっていた。
その様な訳で200年以上生きるブナにとっては十分に種の保存の種を落として、若木を育てるには十分な時間があるという。
自然の持つ摂理の偉大さには驚きを感じ得ない。

この論文のウエッブサイトはこちらです。   http://kuromatsunai.sakura.ne.jp/fagus/
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by minoru_mogi | 2009-10-25 15:14 | 樹木とその花 | Trackback | Comments(0)