山歩きとそこで出会う花たちへの思い


by minoru_mogi
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

<   2006年 03月 ( 5 )   > この月の画像一覧

 スミレの語源は大工さんが使う「墨入れ」からきていると、牧野富太郎氏が「植物記」に書いているが、他説も多く定説とはなっていない。この写真のフジスミレはヒナスミレ(雛菫)の変種として分類されている。(奥武蔵の二子山山頂880m付近で撮影)
d0059661_12184663.jpg
花の色が藤の花の色から付いた名前と推察できる。
スミレ科の植物は北方植物であり、氷河期からの温暖化によって、その生育圏を北へ追われ、山へと登っていった。それを実感したのは、7月末のスイスアルプスでグリンデルバルトからスイフトへ登り、標高2000m付近で残雪の残るお花畑の中にヴィオラ(下画像 西洋スミレ)が咲いているのを見た時である。
d0059661_12214661.jpg
日本には大変多くの種類のスミレが生育しており、春の時期には山中で沢山見ることができる。
先ず、麓のほうではタチツボスミレ、次にスミレサイシン、更に上にはエイザンスミレ(叡山)や白のヒゴスミレ(肥後)等が多く、1000mを超えるころから、ヒナスミレ(雛)やこのフジスミレなどがある。また、他のスミレと異なった環境の日の当たる乾燥地にアケボノスミレ(曙)を見ることがある。更に高さを増すと1500m付近から黄色のスミレであるキバナノコマノツメ(黄花の駒の爪)等が見られ、更に高い所には同じく黄色で東北や北海道の高山のタカネスミレ(高嶺菫)があるが、この花は私はまだ見たことが無い。
 私の一番に好きなスミレはアケボノスミレである。この花は大きくて、その花色のピンクは実になまめかしく、赤ちゃんんのホッペタの様である。花は地上5・6センチのところに咲いているのに、葉はまだ地上3・4センチのところでまだ開ききらずに丸まって上がってくる状態が常である。他にもタカオスミレ(高尾)やコボトケスミレ(小仏)などがあり、多くはその見つけられた地名のものが多い。
 スミレは普通花の内側側弁に毛が生えているが、中にその毛が無いものがある。その名前はワカシュウスミレ(若衆)という。そのわけは雄しべの周りに毛が生えていないというところに由来する。日本人の中にもなかなかウイットのある名をつけた人も居るものである。
[PR]
by minoru_mogi | 2006-03-25 12:27 | 山の花 | Trackback | Comments(0)
 このコルボックルの言葉の意味を当時はまだ知らなかったかなり以前のことである。
3月ともなり、久しぶりに忙しい仕事が一段落して、独りでこのシーズン初めてのスキーに霧が峰に出掛けた。宿はスキー場まで行き、行き当たりばったりに上原館とかに決めた。
(画像は霧が峰からの北アルプスです)
 d0059661_14232146.jpg
 この年は3月にも雪はまだ1m以上あり、初心者用のゲレンデで滑ったが何とも物足らない。そこで、2日目の午後から車山の山頂を目指してスキーで登り始めた。この時はまだクロスカントリー用のスキー板を持ってはいなかったので、普通のスキーで、開脚登高で大汗をかいて頂上の付近まで行った。山頂からの視界は北アルプス・乗鞍・八ヶ岳が白く輝いている。暫く景色を楽しんでから、ステップターンで大きく曲がりながら、出来るだけ高度をゆっくり使いながら降りてゆく。しかし、登りではあれほどかかった時間も、下りではほんの数分で降りてきてしまう。
 行程の半分ほど降りた所の、鞍部に来ると雪に入り口が閉ざされたかけたような小さな山小屋の前に出た。数段の階段を下りて中を覗き込むと、誰も見えないが壁には飲み物のメニューが貼ってある。椅子に座って誰も居ない小屋の裏側に開いている戸の外を見ると、何人かの人達が急な斜面で滑降の練習をしている。
 暫くすると、裏口より顎の髭がのびかけている大きな40位の男の人が室内に入ってきた。
そこで、「ミルクをください」と言うと、あまりはっきりとしない返答をした。
出来上がるまで小屋の前でベンチに座り日光浴をすることにした。なかなか声も無いので下を覗き込むと、先ほどの男が幾つも並んだ大型のザックの中からスキムミルクの箱を出している。山小屋ではミルクとはなるほどそのことかと思い更に暫く待っていた。
「ミルク出来ましたよ」との声で小屋に入ると、そこにはホウロウのカップで熱いミルクが用意されていた。それを美味しく飲んだが、その人は直ぐに外に出て行ってしまった。
ゆっくり休んだ後立ち上がると、丁度先ほどの人が入ってきた。
「お代は250円ですね」と確認すると、「いいです」と言う。狐につままれた様な気分になっていると、その人はまた裏口から出て行ってしまった。確か、この時はお代を置いてこなかった。
小屋を出る時に入り口の目立たない標識に「ヒュッテ・コルボックル」と小屋名があった。
この事が有ってから暫くして、コルボックルとはアイヌの伝説で蕗の葉の下にいる小人の妖精の事であると知った。多分、あのミルクを出してくれた人は、そこに泊まっていた登山者で、自分のスキムミルクを出してくれたのではなかろうかと考えられる。まさしく大男のコルボックルであった。
 後に、この小屋は山の随筆で有名な仏文学者の串田孫一氏とその仲間が常用した小屋であると判った。このブログの以前の随想に「ヒュッテ・ジャヴェール」の話があるが、その高橋氏もこの仲間のお一人であった。是非、お読み頂きたい。
[PR]
by minoru_mogi | 2006-03-22 14:28 | 随想 | Trackback(1) | Comments(0)
春3・4月頃、低山の500~1200m位の闊葉樹の林の中を歩いていると、黄色の小花を枝一杯に付けた3~5mの樹が目に付く。そして、その花色は周りを明るくしており、足を止めてそのダンコウバイの花の色を楽しむのが何時ものことである。
d0059661_21365415.jpg
あちこちの山でこの樹を見るが、丹沢山塊の北の尾根に連なる黍殻山(きびがらやま1272m)の山頂付近には林となっているのを見たことがある。
植物図鑑で調べてみると、殆ど同じ花のアブラチャンという面白い名前の樹もある。 この二つを見分けるのは全く難しく、樹の外観・外皮・樹高・花の形も全くと同じといって良い程で、私は今もって正しく判別が出来ないでいる。

d0059661_21383063.jpg
この花に良く似た花に我が家の庭に咲いているサンシュウがある。図鑑に依ると、これは中国・朝鮮原産のもので漢字では山茱萸とある。この花を拡大鏡で見てみると、ひとつの蕾の中に、何と25・6個の細かな花が入っており、ダンコウバイの一個につき5花くらいに比べて格段に多いのには驚かせられた。
これらはデジカメの接写で撮った友人のダンコウバイの画像と,私のサンシュウであるが、良く見比べて見ると、それなりに楽しいものである。
[PR]
by minoru_mogi | 2006-03-16 21:43 | 樹木とその花 | Trackback | Comments(0)
 昨年の3月末に歩いた山であるが、大変印象が良く記憶に残った山なので、これから春のハイクに出掛けるに最適な山として記してみよう。
駅は西武秩父より秩父鉄道皆野駅へ出て、町営のバスにて風戸(ふっと)で降りて歩き出した。最初は杉林の中を行くが、間もなく雑木の明るい林となり、割合と楽に誰も居ない静かな山頂に着いた。そこは大変狭く5・6人が座ったら一杯という感じであるが、そこからの景色は素晴らしいものがある。南には秩父盆地を越えて大きく削られた武甲山が、まだ少し雪を載せており、北側には城峰山(1038m)の恰好の良い姿が、その山麓の集落を従えて広がっている。

d0059661_18554533.jpg
山頂付近には山つつじが群生しており、花のころはさぞ見事なことであろうと推測できた。
昼食後南面を椋神社方面に下る道には、途中にやぶ椿が数百本もあろうかと群生し、丁度その花の盛りであった。また、その足元にはカキドウシのつつましやかな花も咲いていた。
d0059661_1849795.jpg

集落へと出てくると、昔、田舎でよく目にした桑畑が残っており、その地面にはタンポポの黄色がオオイヌノフグリの空色の中に点在し、桑の木の曲がった株が力強く立ち並んでいる。また、その先には陽に輝いて武甲山の山容が広がって見える。(少し霞んでいました)
ここが大変気に入って、しばし二人で写真を撮り、畑の畔に座りゆっくりとお茶を飲んだ。
この春の予定を考えておられる方には是非お薦めしたい山である。
[PR]
by minoru_mogi | 2006-03-10 19:03 | 歩いた山 | Trackback | Comments(0)
 寒い日々が終わり、やっと春らしくなってはきたが、今度は雨や寒い曇りの日が多くて、栽培している山草の鉢の植え替えが出来ず、例年に比べて遅れてしまっている。
その様な訳で、久しぶりの晴天の昨日は色々な鉢植えの植え替えに取り掛かった。
シコクカッコウソウ(四国勝紅草)やコイワザクラ(小岩桜)を植え替え、桜草用の土を混ぜて準備を始めた。
d0059661_1173992.jpg

庭の傍らにあるシュンランの葉元を覗くと花芽が大きく膨らみ、今週中には咲き出しそうな気配である。このランは日本原産のシンビジュームの1種であり、里山や近郊の低山に沢山あったものだが、最近は山野草愛好家が掘り取ったこともあり、大変少なくなってきたのは残念である。花は地味な色合いであるが、花弁を近くで良く見てみると、なかなかの味わいがある。
このスケッチは花を下から見たアングルで描くために、デジカメで下から撮り、それを参考にして描いたもので、私の大変気に入っている一葉である。
[PR]
by minoru_mogi | 2006-03-04 11:09 | 栽培山野草 | Trackback | Comments(1)