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山歩きとそこで出会う花たちへの思い


by minoru_mogi
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英文手紙の「考える」と「思う」の翻訳  No541

 会社で仕事の折に英文の商業手紙(コレスポンデンス)を作成したものでした。社長の息子の30代の部長が、私が主任であった時に上司の部長でした。
その頃、各百貨店でも外国との直接取引をする機運が出てきて、彼はそれにかなり力を入れていました。英国人との貿易商との交渉の場に、私は主任という立場でありながら、英語が上手であり、貿易の基本を大学で勉強していたので二人の交渉の席に同席したのです。また、時には夜の接待の席にも一緒させられ、渋谷の料亭や新宿のナイトクラブにも行ったものでした。
 その折に部長が書いた手紙を私が英訳してタイプで打ち、商業英文(コレスポンデンス)を行いました。その時に気付いたのですが、日本語は非常に不正確で「思う」「考える」という言葉は「Think」という単純な言葉では訳すことが非常に不正確であり、正確を期するコレスポンデンスには全く適さないのです。
そこで、これらの文中にある「思う」「考える」を一つ一つ部長に確認して、その持つ意味を正確に聞き取りしました。そしてその末に考えられる正確な英語に慎重にその内容によりこれらの英語の単語で訳していったのです。
即ち Think    は軽くそうであると思っているの意であり
    Consider  良く考えての意であり ( =ponder)
    Convince  は確信できるの意であり
    Suspect   は少し怪しいとの意であり
    Guess   は多分そうであるかも知れないの意で
    Doubt はそうでないかも知れないの意であり

英文手紙の「考える」と「思う」の翻訳  No541_d0059661_11252490.jpg


その様な訳でこれらの文章には大変気を使って訳したものでした。
その頃、1500名の社員がいる中で社内には英文タイプが打てる人はタイピストが一人いるだけで、私が自分用に購入した欧文タイプで商業文の基本形式にのっとり、作成しました。そのブラザーのタイプも入社した年の冬のボーナスを殆ど注ぎ込み入手したものでした。それらの商業英文の事例を毎晩夜に打ち込み、翌日の出勤電車の新宿までの40分の時間で暗記するように努め、新宿駅で破り捨てました。
我ながら若いときに集中して勉強したものだったなと懐かしく思いだされます。
by minoru_mogi | 2015-02-06 11:28 | 随想 | Trackback | Comments(0)